MPCのプロジェクト構造解説

MPC

MPCは一般的なDAWの構造とは違った構造をしています。プロジェクトの構造を理解せずに制作に入ってしまうと思わぬところで意図しない動きになってしまったり、やりたいことが上手く再現できなくなってしまうことがあります。プロジェクト構造を一度理解すれば難しいと思っていたことが簡単になりますので是非覚えてみて下さい。

この記事ではMPCのプロジェクト構造を解説します。

プロジェクト構造

MPCのプロジェクトは以下のような構造になっています。

それぞれの役割は以下の通りです。

Project

楽曲データ全体の設定や音を保存する箱です。

Sequence

トラックとプログラムの設定などを分けて保存する箱であり、楽曲の構成要素となる部分でイントロ、Aメロ、Bメロ、アウトロやバース、フックなどセクション毎に作成します。シーケンスの中には通常のDAW のように複数のトラックが含まれています。

Track

プログラムに命令を出すMIDIトラックと、オーディオをDAWのように直接再生/録音/編集できるAudioトラックの2種類があります。MIDIトラックは楽譜のような役割、Audioトラックはテープやオーディオレコーダーの役割を果たします。

MIDIトラックでは6種類のトラックタイプがあり、連動させるプログラムに合わせてタイプを変更します。

Program

トラックからの命令通りに音を発音する部分。楽器にあたる部分です。

プログラムはトラックやシーケンスから独立しているので、起動しているプログラムを複数のシーケンスで共用して使用することができます。

MPCには6種類のプログラムが用意されています。

【Drum Program】

ドラムプログラムは、主にドラムパートを作成したり、サンプルを素早く簡単にパッドにアサインしたりするた
めに使用されます。

【Key Group Program】

キーグループプログラムは、MIDI キー
ボードや MPC パッドでサンプルをクロマチックに演奏するために使用されます。

 

【Plugin Program】

トラックの MIDI データを送信するためのプラグインのインスタンスが含まれています。

 

【Clip Program】

ループさせることのできる複数のサンプル(クリップ)を使用します。クオンタイズの設定に応じて自動的にタイムストレッチされたクリップをトリガーすることができます。

 

【MIDI Program】

トラックの MIDI データをシンセやドラムマシンなどの外部 MIDI デバイスに送ることができ
ます。

 

【CV Program】

MIDI データをCVを使用する外部シンセサイザーに送ることができます。

Mixer

プログラムから発音された音をまとめたり調整する装置です。エフェクトなどもMixer部分で掛けます。

MPCには以下の種類のミキサーが用意されています。

Padミキサー

パッドミキサーでは、プログラムのレベル、ステレオパンニング、ルーティング、エフェクトを設定することができます。このモードは、プログラムの種類ごとに表示されます。

チャンネルミキサー

チャンネルミキサーでは、トラック、プログラム、リターン、サブミックス、マスターのレベル、ステレオパンニングなどの設定ができます。

まとめ

MPCのプロジェクトはトラックの構成要素であるイントロ、Aメロ、Bメロなどのブロックを作成し、その中に楽譜にあたるトラックを作成しトラックに演奏情報を打ち込んでゆきます。このトラックは楽器にあたるProgramに紐付けられTrackから出力された演奏情報がProgramに送られProgramから音が発音されます。発音された音はミキサー部分に送られ、そこでは音量やPan、エフェクトの追加などができます。

この基本的な構造を覚えておくと、楽曲制作中にやりたいことをより簡単に実現することができるようになります。

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