【Titan解説】ソフトウェアミキサー解説【前編】

DTM

TitanをはじめとするPrism Soundのインターフェースのフロントパネルには電源スイッチとボリューム以外の操作子が無く、すべての設定やコントロールはソフトウェアミキサーから操作します。ここでは、Titanを例にPrism Soundのソフトウェアミキサーの使用方法のうち、入力コントロールを中心に解説いたします。

フロントパネルとの連動

まずはフロントパネルと連動する部分を解説いたします。

Prism Sound Titanでは本体フロントパネル部分にPre/Lineインジケーター、Analog/Digital I/OメーターとOver Killerインジケーターが配置されています。これらの表示はソフトウェアミキサー側、または自動で表示が切替わる仕様になっています。

Titan フロントパネル

入出力メーターの切替

入出力の情報を手軽に確認できる本体のメーターですが、Prism Soundのインターフェースではインプット表示とアウトプット表示をソフトウェアミキサー側の【FP Meters】を切り替えることでフロントパネルの表示が切替わります。

メーターが入力・出力どちらを表示しているかはAnalogメーター横のランプで見分けることも可能です。IP側のランプが点灯している場合には入力メーターが表示、OP側のランプが点灯している場合には出力メーターが表示されます。

アナログ入力コントロール

入力関連のコントロールはソフトウェアミキサーの【Inputs】タブから行います。

Inputs タブにはアナログ入力と S/PDIF 入力のコントロールなどのすべてのコントロールとステー タスインジケーターが含まれています。ADAT モードでは、ADAT/SMUX 入力のステータスもここに表示されます。

入力モード

各アナログ入力chのモードは、上部にある色付きのタイルで示されます。MICまたはPAD(-20dBパッド)の状態ででタイルをクリックすると、パッドをのON/OFFを選択することができます。(Titanの場合、入力5-8はLine固定)

Prism Soundのインターフェースでは入力コネクターの種類を判別し、自動的にLine/Micを切替るため、TSまたはTRSのジャックが接続されると緑の’LINE’マークで表示されます。なお、インストゥルメントまたはラインジャックのいずれも検出されない場合は、ピンク色の「MIC」または「PAD」凡例で示されるマイクロフォンモードが選択されます。

インストゥルメント・モード(青色の’INST’表示)は、インストゥルメント・ジャック(ライン・ジャックなし)が検出されたときに選択されます。

入力感度

入力の感度の調整はライン入力の場合は+4dBuと-10dBVの間で切り替えられます。切替る場合には各チャンネルのボリュームメーター横のボタンで切替可能です。

マイクとInstrument入力の場合はスライダーコントロールで1dBステップでゲイン調整することができます。その下にゲインが数字で表示されるので必要に応じてゲイン量を直接入力することもできます。

オーバーキラー

Prism Soundのインターフェースのアナログ入力chには、最大10dBのマージンで入力のオーバーロードを防ぐプログレッシブリミッターであるOver Killerを搭載しています。Over Killerはソフトウェアミキサーのストリップ上部で個別にON/OFF設定が可能です。

Over Killerのスレッショルドなどは自動で設定され、Over Killerが動作した場合にはソフトウェアミキサーおよび、フロントパネルぞれぞれのボリュームメーター下部にあるOVKインジケーターが点灯します。

Over Killerを動作させることで入力ボリュームを安全に上げることができるので、高い解像度の録音が可能となります。

ファンタム電源

マイクプリアンプが搭載されている入力Ch(Titanの場合1‐4Ch)では端子がコンボジャックになっており、XLR端子が接続された場合マイク入力として検知されます。マイク入力として検知されたChではソフトウェアミキサー上に【+48V】が表示され、そこをクリックしてオンON/OFFを切り替えることができます。

入力フィルター

入力chには80Hzのハイパスフィルターが搭載されており、さらに1‐2chにはRIAAフィルターも搭載されています。初期設定ではFlatに設定されており、

RIAAフィルターが搭載されているので、1‐2Chに直接アナログレコードプレイヤーを接続して再生、録音することが可能で中間に余計な機材を挟むことなく高品質なアーカイブ作成なども実現します。

アナログレコードプレイヤーを接続する方法はこちらの記事で解説します

Prism Sound Titanにアナログレコードプレイヤーを接続する方法(作成中)

位相反転

スネアなどを録音する際にスネアのトップとボトムにそれぞれマイクを設置することが多いかと思いますが、そのような際に必要となるマイクの位相反転もソフトウェアミキサー側から設定することが可能です。入力chストリップ上の【Phase】をクリックすることで位相の反転が可能です。

MSマトリクス

アナログ入力チャンネルの各ペアは、MSマトリクスを搭載しています。「ミッドサイド」ステレオマイクロホンでの使用を想定したもので、2つの入力チャンネルから和と差の信号が出力され、左右のチャンネルが作られます。MS マトリクスは、アナログ入力がラインモードの状態でも利用可能であり、MSマトリクスを持たない外部マイクプリアンプで使用することもできます。

Titanを使ったMS録音の方法はこちらの記事で解説しています。

一味違ったステレオ録音[MS]で録音してみる。(作成中)

デジタル入力

デジタル入力ではS/PDIFフォーマットの2チャンネルデジタルオーディオ信号に対応しており、44.1kHz〜192kHzまでのサンプルレートに対応しています。XLR-RCAアダプターを使用することでRCA入力を自動的にAES3(AES/EBU)フォーマットのデジタルオーディオにて受信することも可能です。

Inputsタブには、S/PDIF入力のRCAまたはTOSLINKコネクタを選択するコントロールと、S/PDIF入力がアンロックの状態やユニットのサンプルクロックと非同期であることを示すインジケータが含まれます。

アンロックインジケーターは、フロントパネルのメーター設定がInputモードの場合メーター下で確認することもできます。


TOSLINK コネクタはTitanをADAT対応モードで動作させた場合、ADAT フォーマット(サンプルレート 44.1 kHz または 48 kHz)の 8 チャンネルデジタル入力、ADAT SMUX フォーマット(サンプルレート 88.2 kHz または 96 kHz)の 4 チャンネル入力にも対応しています。

ADAT対応モードへの変更はソフトウェアミキサーの【MODE】部分で変更可能です。

まとめ

ソフトウェアミキサーは分かりづらいことが多く、なんとなくで使用してしまう事もあるかとおもいますが、本体のみでのコントロールができない分ソフトウェアミキサーをしっかりと理解することがインターフェースの力を十分に活用するために必要となります。

Prism Soundのソフトウェアミキサーは直感的でわかりやすくレイアウトされているため、使いこなすのにさほど時間は掛からないでしょう。

次回の記事では出力部分やミキサー部分を解説いたします。

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