【Titan導入しました!】Prism Sound Titanスペック解説

DTM

こちらの記事ではElectric Tenguで導入しているPrism Soundのインターフェース“Titan”のスペックについて詳しく解説します。

Prism Soundのインターフェイス製品のラインナップについては前回のブランド紹介記事をご覧ください。

製品概要

Titan Front

さて、TitanですがPrism Soundのインターフェイス製品ラインナップの中でもちょうど中間に位置する製品であり、ベンチマークにもなる製品です。

競合機種は主に以下の製品になるかと思います。

RME – Fireface UFX2

Anteope Audio – Orion Studio synergy Core

RME – Fireface UFX2
Anteope Audio – Orion Studio synergy Core

これらの競合機種はプリアンプを4基搭載しているところや、入出力数で共通している点が多くありますが、DSPエフェクトを搭載していたり、複雑なソフトウェアミキサーを使用できたりと多くの機能を搭載した機種が多いです。一方これらの機種と比較してPrism SoundのTitanでは、そういった付随機能などは敢えて搭載せず機能にオーディオインターフェースとしてのコア機能に全てを注ぎ込んだような設計がされています。

入出力

まずは基本的な入出力から見てゆきましょう。Titanにはアナログ8chの入出力に加え、最大10chのデジタル入出力(S/PDIFもしくはAES3+ADAT)を搭載し、入力チャンネルの1~4chにはプリアンプが搭載されています。

Titan Back

TitanやLyra、Atlasは入力の切り替えを接続された端子の種類で判別して自動で切り替えを行う設計になっており、XLRをマイク入力、TRSをライン入力、前面のインスト入力とそれぞれ端子の接続で切り替わります。

マイクプリアンプ、インスト、ラインそれぞれ個別に管理することで、ロスをする要素を可能な限り避けるようなデザインになっています。音響業務機器への知見が深い、Prism Soundならではの配慮がなされています。

入力チャンネルの機能と特徴

接続端子の種類による自動切替&ゲイン調整機能

前述の通り、入力チャンネルは接続された端子の種類によって自動的に回路が切り替わる仕様となっており一見使い勝手が悪いように思えますが、慣れるとかなり便利な機能となっております。具体的な例をあげると、アンバランス(TS)の物を接続した場合、自動的に6dBゲインを付加します。これにより、接続先がアンバランスの場合にいちいちレベル調整をする必要がなくなり、便利に使用することができます。

RIAAフォノイコライザー

また、オーディオインターフェースには珍しく、フォノイコライザー機能を搭載しているので、アナログターンテーブルを直接接続して、再生やアーカイブ用の録音などが可能です。通常アナログターンテーブルを接続する場合には、単体のフォノイコライザー、ステレオプリアンプ、DJ用ミキサーなどを間に挟んでインターフェースに接続するケースがほとんどだと思いますが、インターフェースにフォノイコライザーが搭載されているTitanはこのような追加の機材を省略できるのでコスト、スペース的にも優位性が高いインターフェースです。

▼フォノイコライザーについて

Overkiller

Titanを始めとするPrism Soundのアナログ入力チャンネルには、Overkiller回路と呼ばれるソフトクリッパーをスイッチングで搭載しています。このOverkillerは、コンバーターのオーバーロードを最大10dBのマージンで保護することができるプログレッシブリミッターで、トランジェントを穏やかに吸収し、リスクなく録音レベルを上げることができます。どの入力モード(ライン、マイク、楽器)でも使用でき、その動作スレッショルドはどのゲイン設定に対しても自動的に調整されます。
オーバーキラーは、Titan Control PanelアプリのInputsタブでオン/オフを切り替えることができます。

OVKをクリックするとOverkillerが有効になり、オレンジ色に点灯します。

オーバーキラーの動作は、本体のフロントパネル(メーターが「入力」モードの場合、各メーターの下)と「入力」タブの両方で確認できます。これらのインジケータはOverkillerが実際に動作しているときに動的に表示されます。

ドラムやアコギなど、0dBFSを超えるリスクがある信号をレコーディングする際にギリギリまでゲインを上げても最悪の事態を避けることができるのでとても有効な機能です。

プリアンプ

前回の記事でも触れましたが、Prism Soundのインターフェースには歪み率が非常に低いプリアンプが搭載されています。単体のマイクプリの歪み率としては1桁くらい低い印象です。簡単にテストしてみたところ、とてもクリーンで静かながらもボトムが力強い印象がありました。

▼マイクプリアンプ スペック

プリアンプは今後の記事でスネア単体、ドラムセット、エレキギター、アコースティックギターを実際にスタジオでテストレコーディングを行い他メーカーのインターフェースに搭載されているマイクプリアンプと比較する記事を公開しますのでそちらをご参照下さい。

プリアンプ比較記事→(作成中)

まとめ

必要十分な機能は備えられているTitanですが、最近の同クラスのオーディオインターフェースと比較すると目立つ機能は少なく比較的シンプルにまとめられています。機能を削ぎ落とし、必要な部分にのみコストを掛けた事が容易に伺える機種であり、Titanの出音は文句のつけようが無いものになっていると言えるでしょう。Titanを使うとまずは深みと透明感のあるステレオイメージに驚かされます。トラッキングやミキシングはもちろんのこと、マスタリング環境でも活躍できるインターフェースです。オーディオインターフェースとしては価格がかなり高い製品ではありますが、それだけの価値は間違いなく有る機種なのでTitanを選んで後悔をすることはないと思います。必要な入出力数がTitanほど要らない場合でも基本的な設計が同じLyraシリーズを選ぶことができるので、Prism Soundのオーディオインターフェースは良い選択肢だと思います。

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